1986年A溶岩流植生遷移
英名 | エリア |
---|---|
Vegetation Succession on the 1986 Lava Flows | 山頂カルデラ |
1986年溶岩流一帯では、植物の一次遷移の初期を観察することができます。
植物学の定説では、噴火という壊滅的な破壊の後には、地衣類・コケが初めに出現し、その後に草本が侵入するとされていました。しかし、伊豆大島では噴火から約1年後に、裸地に生えるハチジョウイタドリが確認されました。
伊豆諸島の固有種でもあるハチジョウイタドリは、3枚の翼の付いた種を持ち、島特有の強い風に乗って容易に分布を広げ、長い根を溶岩の隙間を通って地下深くに下ろし定着します。そして、自身の落とした葉で土を作り、その土、すなわちハチジョウイタドリの周囲にススキが侵入していくというのが、この島の典型的な植生回復の姿であることがわかりました。
一方、隣接する1951年や1777-78年の溶岩一帯では遷移が進んでおり、噴火からの経過年数による植生の明らかな違いを比較することができます。