オリットの石垣
英名 | エリア |
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Stone wall of Oritto | 山頂カルデラ |
外輪山展望台から表砂漠コースに入り、カルデラ壁に沿って500mほど歩くと、右手の外輪山の丘の切れ目に築かれた、幅20m、高さ3mほどの石垣が現れます。ここは野増に下る道の入口で「オリット」と呼ばれる場所です(「降りっ所(降りる所)」という意味で、元町や差木地の海岸にもオリットという場所があります)。
1950-51年の噴火では、三原山山頂からあふれ出した溶岩流がカルデラ床の北西部に広がり、表砂漠を埋め尽くして外輪山に迫りました。ちょうど外輪山北西部には、カルデラ壁がひと際低い箇所があり、そこから溶岩流があふれ出て野増集落側に流れ下る可能性がありました。それを防ぎ止めるため、人々は低い箇所に土嚢や石を積んで堤防を設けました。結局そのときは、溶岩流は外輪山のそばまで迫りましたが、あふれ出すことなく終息しました。
当初の石垣の高さは今より低いものでしたが、その後徐々に改築され、現在の姿になりました。また、この下流では溶岩導流堤が建設され、野増集落に溶岩流の被害が及ばないよう対策が取られています( 防災・減災サイト「大宮沢溶岩導流堤」参照)。