大金沢堆積工
英名 | エリア |
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Okanasawa Sand Pocket Function | 元町 |
1986年噴火を受けて、東京都では、緊急性が高い伊豆大島を「総合溶岩流対策事業」に位置づけ1990年に基本計画を策定し、溶岩流や火山泥流を対象とした堆積工・導流堤等を整備してきました。特に大金沢は、流域下に島最大の集落である元町地区があり保全対象が最も多く、土石流氾濫予想区域に小学校があるなど、早期に対策が必要な渓流として整備が進められ、2010年までに堆積工と流路工が完成していました。
しかし、2013年10月16日、台風豪雨による斜面崩壊が起こり、大金沢をはじめとする複数の沢で流木を伴った土砂が大量に流出しました。元町地区では死者・行方不明者39名、住宅被害153棟に及ぶ甚大な被害が発生しました。そのような中で、大金沢堆積工の上流側のスリットダムでは大量の流木や巨礫を捕捉し、下流側のコンクリート堰堤で小さい石や土砂を堰き止めるなど、砂防施設が被害軽減に一定の効果を発揮したことも確認されました。
この災害を受けて計画を見直し、堆積工の堰嵩上げ工事や、斜面の表土を崩れにくくする山腹工、土石流を堆積工に誘導する導流工や海へ流す流路工など、さらなる整備が行われました。