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多様なジオ資源(地形・地質)と密接に関わりがある、
島民が伊豆大島で育んできた暮らしの知恵・生活・文化・文学・産業などの資源

英名 エリア
英名Habuhimenomikoto Shrine エリア波浮港

波浮港の湾口西岸に鎮座している社が、延喜式神名帳(927年にまとめられた全国神社一覧)に記載されている「波布比売命(はぶひめのみこと)神社」と比定されています。参道は二本あり、一つは都道を海側へ折れて北側から入る道、もう一つは東側の海から上がる道です。海側の参道には鳥居の下に船着場があり、そこから境内に入るのが正式な参拝とされています。

祭神は、主神に波布比咩命、配祀神として建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)・八坂刀売命(やさかとめのみこと)が祀られています。伊豆諸島の創世神話『三島大明神縁起』(『三宅記』)によると、三島大明神には5人の后がおり、その一人が大島に置かれた「羽分(はぶ)の大后」で、祭神である波布比咩命(はぶひめのみこと)とされています。

波浮港はもともと火口湖であり「波浮の池」と呼ばれていました。清水をたたえた波浮の池は、かつては御手洗(みたらし)として、当社を訪れる参拝者の手水池(ちょうずいけ)だったことが古文書から伺えます。波浮港ができた後も、港の水で手を洗い、口をすすぎ、小石を拾って社前に供えてからお参りしていたそうです。

1800年、秋廣平六の尽力によって開港した波浮港は、江戸への風待港、島外漁船の避難港、水揚げの地としておおいに栄えました。


船着き場がある海側の正式な参拝口


参拝口から望む波浮港の湾口


位置情報