文化サイト

多様なジオ資源(地形・地質)と密接に関わりがある、
島民が伊豆大島で育んできた暮らしの知恵・生活・文化・文学・産業などの資源

英名 エリア
英名Gunnery Cave Prehistoric Remains エリア泉津

泉津・万根崎の南の海岸にある、間口が約7m、奥行約8m、高さ約3m、面積40㎡の自然洞窟を利用した住居跡です。侵食作用によって岩壁にできた岩陰や浅い洞窟での居住の痕跡は、世界的にも「岩陰遺跡」と呼ばれており、伊豆諸島で確認されているのは唯一この場所のみです。1958年には東京都史跡に指定されています。

1953年の発掘調査で、縄文時代前期末と中期初頭の土器、石鏃・石斧・磨石などの石器類が出土しました。また、自然遺物として貝類、魚骨、鳥骨、獣骨などがあり、当時の人々の食生活の内容を推察することができます。1985年、内部の遺物包含層と史跡整備を兼ねた調査を実施しています。

江戸幕府鎖国時代の18世紀末には「異国船打払令」が公布され、大島においても来航する外国船を打ち払うための海防施設・鉄砲場が各所に作られました。泉津地区では前浜から岩陰遺跡あたり一帯を総称して鉄砲場と呼びます。さらに地元の言葉で陰や洞穴を「ヤア」と言うことから、ここは「鉄砲場ヤア遺跡」とも呼ばれています。


洞窟の出入りや周囲には巨礫が転がっている


泉津漁港から、遺跡の手前に柱状節理が見られる


位置情報