波治加麻神社
英名 | エリア |
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Hajikama Shrine | 泉津 |
泉津地区にある波治加麻神社は、延喜式神名帳(927年にまとめられた全国神社一覧)に記載されている「波治神社」と比定されています。江戸時代以降の棟札や文書によると「ハチカマ」には、八何間・波治竈・羽路釜・蜂竈・波知ヶ間・八ヶ間など様々な字が当てられてきました。
伊豆諸島の創世神話『三島大明神縁起』(『三宅記』)によると、三島大明神の后の一人「羽分(はぶ)の大后」は波浮港の波布比咩命(はぶひめのみこと)神社に祀られ、その長男の太郎王子・阿治古命(あじこのみこと)が野増の大宮神社に、次男の次郎王子・波治命(はじのみこと)がこの波治加麻神社に祀られているとされています。
鳥居の先には100m余りの起伏に富んだ参道があり、周囲一面、緑の絨毯を敷き詰めたように苔が生えています。参道の左右には杉の大樹が林立して陽光を遮り、ひんやりとした空気と静寂とが神秘的な雰囲気を漂わせています。突き当りに原生の森に囲まれた社殿があり、社殿の背後と左右には深い沢がめぐっています。
境内の東の外れには、タブノキの根元に二基の祠があります。これは、泉津に伝わる伝説「日忌様」をお祀りしたもので、ここにある大杉の切株の跡らしいものは、25人の若者たちが逃亡用の丸木舟を造った際の跡といわれています。