カルデラ内のサクユリ
英名 | エリア |
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Lilium Auratum var. Platyphyllum | 山頂カルデラ |
伊豆大島では「為朝百合(タメトモユリ)」とも呼ばれるサクユリは、分類上は本州に分布するヤマユリ(Lilium auratum)の変種として位置づけられています。ヤマユリに比べると花びらに赤褐色の斑点が少ないことや葉の幅が広いこと、香りが強いことなど、サクユリには独自の特徴があります。しかも、伊豆諸島の島ごとに変異があって、伊豆大島のサクユリは、斑点があるものから全く無いものまで存在します。
明るい樹林内や林縁に生育し、草丈は150~200cm、花径25~30cmの大きな白い花をつけ、草丈も花の大きさもユリ属では世界最大といわれています。山頂カルデラ内では7月下旬から8月初旬に開花します。
東京都のレッドリストでは「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に分類され、「現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来、野生での存続が難しくなることが確実」とされています。伊豆大島では園芸や販売目的の盗掘、外来生物キョンによる食害、ウイルス等の要因によって、その数が激減しています。現在は環境省との連携のもと、サクユリを守る会、大島自然愛好会、伊豆大島ジオパーク等が主体となって、講演会や観察会、生育状況調査、周知ポスター掲示など、山頂カルデラ内のサクユリの保全活動に取り組んでいます。