生態サイト

火山活動によって形成された地形・地質を基盤とした、
海洋島ならではの多様な生態資源(動植物)

英名 エリア
英名Castanopsis Forest エリア泉津

シイノキ山は樹高25mに達するスダジイの大木が優占し、極めてよく発達した自然林で、「シイノキ山のシイノキ群叢」として国の天然記念物に指定されています。全体的にはやや荒れており、ハチジョウグワ、オオバエゴノキ、オオムラサキシキブなどの落葉樹が混生し、部分的にはカジノキ、タラノキなどの先駆植物の侵入も見られます。

伊豆大島の遷移系列ではタブノキとともにスダジイ林が極相林(植物群落が移り変わりを経て最終的にたどりつく安定した森林)です。極相林が発達しているということは、長期間そこが火山噴火の影響を受けていない場所であることがわかります。

島内では標高10m~440mまでの標高500m以下の山麓部に分布しており、自然林と、かつて薪炭利用のために伐採された萌芽再生林とがあります。スダジイが群落としてまとまって見られるのは、シイノキ群叢のほか、愛宕山、七見沢、大島公園周辺、フノウの滝周辺、大宮神社等です。スダジイの下方には、亜高木、低木としてヤブツバキ、シロダモ、カクレミノなど、林床はオオシマカンスゲ、ベニシダ、アスカイノデ、ちょっと日が当たる場所ではテイカカズラで覆われています。


樹冠を覆うように咲くスダジイの雄花


「伊豆諸島の植生-草原と人里-」植生分布図
伊豆諸島植生研究グループ


位置情報