ジオサイト

地形・地質学や、地球科学の見地から
重要とされる地形・地質資源

英名 エリア
英名1986 Fissure Eruption C Craters / 1986C Lava Flow (LC) エリア元町

1986年11月21日、カルデラ北部で始まった割れ目噴火に続き、B火口列の延長方向にあたる外輪山北西斜面で、17時45分頃に新たな割れ目噴火が始まりました。南東から北西方向に約1kmにわたって11個の火口が生じ、高い火柱が連続的に上がりました。火口は後に、南東側から順に「C1火口」、「C2火口」…と名付けられています。

C火口列で最大のC6火口からは「アア溶岩 a’a lava」が流れ出て長沢沿いに下り、元町の集落まで200mの距離に迫りました(この溶岩流は後に「LCⅠ」と名付けられました)。大島町は22時50分に全島民に島外避難を発令し、一晩で一斉避難が行われました。
翌朝からは、溶岩の流れを食い止め、かつ、火災の発生を防ぐため、東京消防庁が6トンのコンクリートミキサー車5台を使って海水を運んで水槽に貯め、ポンプ車で溶岩先端部に放水して溶岩の冷却作業を行いました。

この溶岩流の痕跡を観察できるよう、後に駐車場や東屋が整備されました。しかし、2013年に発生した土砂災害でこの長沢にも土石流が流れ込んだことから植物が急速に繁茂し、数年で溶岩の大部分が植物に覆われました。現在は、長沢沿いの桜橋左岸付近で溶岩の断面や溶岩樹型を観察することができます(※写真(上)は土砂災害前の2012年11月撮影のもの)。


溶岩樹型(溶岩流が樹木を飲み込み焼失した跡)


溶岩流に放水して冷却する様子


位置情報