愛宕山
英名 | エリア |
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Mt. Atago (Atago-yama Scoria Cone) | 北の山 |
伊豆大島には、山頂の火口からではなく、中腹や裾野で起こった噴火(側噴火)でできた小さな山が、確認できるものだけで80個以上存在します。これらは北西-南東方向の割れ目噴火によって形成された「側火山」で、大島空港滑走路の南端にある「愛宕山」も、周囲の「地の岡」、「三ツ峰」、「赤禿」などと同様に側火山の一つです。カルデラ形成以前、約3500年前の噴火で誕生したと考えられています。
かつて伊豆大島では薪炭を作るために、島じゅうの多くの木が伐採されていました。しかし、愛宕山には神社が置かれ山が守られていたため、スダジイ・タブノキの極相林が発達し、巨木の森を形成しています。
太平洋戦争当時は防衛のための重要拠点として、駐屯部隊によって防空壕や散兵壕が網の目のように掘られ、いまだに山腹にその跡を留めています。2000年には、空港滑走路の拡張工事により東側斜面が削られましたが、その後、植林が行われました。山頂に登るハイキングコースが整備されており、頂上の展望台からは島の北西部や伊豆半島、富士山が望めます。