乳が崎/野田浜
英名 | エリア |
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Cape Chigasaki / Nodahama Beach | 岡田 |
伊豆大島の北西部はなだらかな平地が広がっていますが、北縁には突如、高さ100mほどの丘(乳が崎、風早崎、小口崎、大久保山)が連なり、険しい海食崖で断ち切られています。この一連の高まりの下に、伊豆大島火山とは異なる古い火山「岡田火山」が存在するためです。岡田火山は数十万年前まで活動していた火山島であり、後に誕生した伊豆大島火山がこの岡田火山の残骸に覆いかぶさるようにしてつながり、ひとつの島になりました。
乳が崎先端の海食涯では、海に向かって傾斜した岡田火山の溶岩・火砕岩の互層を、伊豆大島火山の噴出物が不整合に覆っている様子が見られます。海食崖はたびたび崩れては、新鮮な露頭が現れています。また乳が崎には、敵の軍船を強弓で射沈めた為朝伝説の「源為朝古戦場跡」や、敗戦後に戦後処理の務めを終え27歳の若さで自決した将校を慕い有志で建てた「福井参謀の碑」があります。
野田浜の海岸線は、北西部の側火山から流れ出た溶岩流で埋め尽くされています。溶岩流は海中まで続いており、野田浜海底には大きな溶岩アーチもあります。このような起伏に富んだ多様な溶岩地形は、生き物の格好の棲み処となっています。