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地形・地質学や、地球科学の見地から
重要とされる地形・地質資源

英名 エリア
英名Imasaki Sea Cliff エリア差木地・クダッチ

1421年?、島の南部で長さ4kmに渡る割れ目噴火が起こりました。この割れ目が海に達して、海岸のすぐ沖合の海中で発生した噴火で形成された「スコリア丘 Scoria Cone」と、続いて起こった「マグマ水蒸気噴火」で生じた火山地形「タフリング Tuff Ring」がイマサキです。マグマ水蒸気噴火とは、マグマが地下水や海水などの水と接触し、大量の水蒸気が急激に発生して起こる爆発的な噴火現象です。

現在、その後の海食によって露出した、それらの内部を見ることができます。タフリングは、複数回の爆発が繰り返し起こったため、地形に平行ないくつかの層の重なりでできています。また、様々な大きさの角張った噴石が埋まっていて、爆発的な噴火であったことがわかります。

トウシキキャンプ場そばの崖上からスコリア丘を眺めると、中央にY字形の板状の岩脈が見られます。割れ目噴火の割れ目を満たしていたマグマが冷え固まったもので、割れ目の方向である岳の平を向いています。

室町時代の足利氏を中心にした武家年表『鎌倉大日記』には、「1421年5月5日、大島が噴火して雷のような大音響が聞こえた。海水が熱湯のようになって、たくさんの魚が死んだ(応永28年4月4日、伊豆大島焼、其響如雷、海水如熱湯、魚多死)」と書かれています。この記述が、この噴火に相当するものと推定されています。


大小様々な噴石が埋まっている


イマサキの火砕丘と供給岩脈


位置情報